日進月歩の医療現場において、医師をサポートする看護師にも高度で水準の高い技術や知識が求められるようになっています。そんな中、看護ケアの向上を図ることを目的として、1995年にスタートしたのが認定看護師制度です。認定看護師は、ある特定の看護分野において、熟練した技術と高水準の看護の実践、看護者へのコンサルテーションといった重要な役割を果たすことを担っており、活躍の場は多岐にわたります。
このような認定看護師になるためには、日本看護協会が主催する認定審査に合格しなくてはなりません。認定看護分野には、応急看護をはじめ、集中ケアや手術看護、がん化学療法看護など、専門性が求められる分野が細かく定められているのが特徴です。しかも、認定審査を受けるためには、看護師免許を取得してから実務経験が5年以上であること、さらに認定看護師教育機関での課程を修了していることなどが条件となっており、ハードルは高くなっています。しかも、資格取得後も5年ごとの更新が必要であり、常にスペシャリストとしてスキルを磨いていく必要があります。
ちなみに、認定看護分野には、在宅医療患者の主体性を尊重したセルフケア支援やマネジメントをする訪問看護分野、認知症の各段階に応じた療養環境の調整やケア体制の構築を行う認知症看護分野、全身の苦痛症状を和らげて終末期ケアや看取りにつなげる緩和ケア分野なども設定されており、超高齢化社会が進む日本において、重要な立ち位置にある医療従事者として注目されています。そのため、看護師としてステップアップを目指し際には、ぜひ目指してほしい資格の一つだと私は思っています。